テラーストーリーテラー


ヒーローは袖にいて 出番が来るのを待っている

需要と供給に 急かされた台本に沿う

70億の琴線を殴るようなストーリー

志半ばで死んだらみんなが泣くんだって


引き出しが無いから 今日も仲間が捨てられてゆくんだ


危ない危ない危ない危ないストーリーテラーが

僕が居る世界を創作してるんだよ

生きたいと願う事も叶わない悲しさが

今 活字の中 溶けて消えた 溶けて消えた 溶けて消えた 


馬鹿の為への説明が 世界観を壊す頃

人気のない善は 悪と同じと見做された

何の為に生まれ 喜ぶのかを

知らないままバイバイ 僕は泣くことも出来ない


引き出しが無いから 今日も君に捨てられてゆくんだ


危ない危ない危ない危ないストーリーテラーが

僕の過去も未来もみな牛耳っているよ

生きたいと願う事も叶わない苦しさに

ついに逃げ出した 生きたキャラクター


語り部はもう物語を進められなくなって

目が覚めたら真っ暗な場所だった


ここはどこだか分かるかい君は ここはどこだか分かるかい君は

馬鹿の為に説明してあげよう

君も創造主に捨てられた 世界に不要と見切られた

あいつみたいに そいつみたいに こいつみたいに

僕みたいに


危ない危ない危ない危ないストーリーテラーが

君が居る世界を創作してるんだよ

誰の心にも残らないキャラクターが

知らず知らずの内死んでゆく

そうこれを聴いている貴方もさ

明日には



情死の唄


街に溢れる愛はみな 信じられないものばかりです

需要に合わせて作られた 愛を懐に隠した


言葉にしたら安くなるから 嗚呼

真っ赤な嘘まみれの 真っ白な部屋の中

真っ直ぐな黒髪を残した


素肌のままじゃ解らなくて かくれんぼのように愛を試す

紅を差せば印になる 私を見つけて


大好きと大嫌いが 幾度なく喧嘩して

少しだけ大好きが勝ちました それだけだよ


言葉にしたら安くなるのに 嗚呼

世はみな好きなの 夜明けが好きなの

弱い唄ほどよく吠えるの


街に流れる唄はみな 歯触りの良い言葉並べてる

運命という重い言葉は 容易く言わないで


寂しさと嬉しさが 交じり合って輝いて

少しだけ嬉しさが勝ちました それだけだよ


もう二度と朝は来ないと知ったなら

石になるまで抱きしめ合えばいいのよ


すべて足して すべて引いて 残るものは何?


大好きと大嫌いが 歩み寄って一つになる

寂しさも嬉しさも あなたへの愛しさ

迷子のような命がふたつ ぎこちなく歩幅合わす

唄にしては飾り気ないけど それだけだよ